
メタバース生活者たちと共にデジタル世界のこれからを考える vol.4「メタバース生活者×働く」~自分の新しい可能性と出会えるメタバース空間~
博報堂は、2024年11月に、メタバース空間における新しい生活者価値の創出と、イノベーションを生み出すことを目指し、研究員全員がメタバース生活者当事者によって構成されたコミュニティ型プロジェクト「メタバース生活者ラボ™」を設立しました。
本連載では、メタバース生活者ラボの理念に共感いただいている、メタバース生活者当事者でもあるゲストとの対話を通じて、メタバース生活者の未来を探求していきます。
第4回は、メタバース関連のライティングやバーチャル空間「cluster」内でのDJや雑談バーなどの活動を行う咲文でんこさんとクラスターの広報を務める西尾美里さん、椎名香澄さんをお招きし、「メタバース生活者×働く」をテーマに、バーチャル世界で働くことの意義や可能性についての座談会をcluster内で実施しました。
※本ラボにおける「メタバース生活者」は、「バーチャル空間上で、自身のアバターやキャラクターを通してコミュニケーション等の行動を実施する」すべての生活者を対象としています。
咲文 でんこ
フリーランスジャーナリスト・ライター
椎名 香澄
クラスター株式会社 広報アシスタント
西尾 美里
クラスター株式会社 広報
瀧﨑 絵里香
メタバース生活者ラボ リーダー
博報堂 研究デザインセンター 生活者発想技術研究所 上席研究員
和田 周
博報堂DYホールディングス 統合マーケティングプラットフォーム推進局
企画グループ研究員 テクノロジスト
黄 嘉驊
博報堂 グローバルストラテジックプラニング局
前田 彩花
博報堂 生活者発想技術研究所
佐野 めい
博報堂 生活者発想技術研究所
バーチャルの人格を持つことで、自分の個性やキャラクター性を打ち出せる
- 瀧﨑
- 今回は「メタバース生活者×働く」をトピックにして、皆さんと色々とお話できればと思います。
それでは最初に、咲文でんこ(以下、でんこ)さんの自己紹介とこれまでのメタバースライフの変遷を教えていただけますか?
- 咲文
- もともとはMMORPG(※ Massively Multiplayer Online Role-Playing Game の略で大規模多人数同時参加型オンラインRPGのこと)などで遊んだり、人とコミュニケーションを取ったりすることから始まり、仮想世界での交流をずっと続けていました。メタバースプラットフォームのclusterに足を踏み入れたきっかけは、以前からずっと追いかけていたブロガーさんが「clusterをやっている」とのことだったので、その方の活動を追いかける形で2020年の年末にclusterをやり始めたんです。
最初はその方と遊ぶだけだったのですが、次第にclusterの世界へのめり込んでいき、そこからさまざまなことに挑戦するようになりました。今ではライティングのほかにもDJをやったり雑談バーを開催したりと、どんどん活動の幅が広がっているという感じですね。
- 瀧﨑
- 「でんこ」という名前で、メタバースの仕事を始めたのはどのような背景がありますか?
- 咲文
- VR文化の発展や振興を目的に活動するNPO団体のアンバサダーに応募したことが大きなきっかけでした。そこから、「でんこという人格でさまざまな活動をしていきたい」という思いが強くなり、名前を統一するようになったんです。
- 瀧﨑
- 実際に「でんこ」という新しい人格で働くようになったことで、ご自身の人生に影響や変化はありましたか。
- 咲文
- 「でんこ」というハンドルネームで活動するようになったことで、大きな変化がありました。以前は本名でゲームライターとして記事を書いていましたが、数多くいるゲームライターの中に埋もれてしまい、特に目立つ存在ではありませんでした。それが、でんこという“完全に新しい人格”を持つことで、自分のキャラクターを明確に打ち出せるようになりました。
バーチャルの世界にはもともとキャラクター性があり、それを前面に押し出すことで、その他大勢のゲームライターとは異なる個性を確立でき、自分の存在感を高めることができたのです。
- 瀧﨑
- 本名の方がちょっと自分を出しにくかったというか、名前をでんこにしたことで、自分の殻を破りやすくなったという感覚なんですかね。
- 咲文
- そうですね。違う人格として活動することで、より自分を表現しやすくなった部分はあるかもしれません。本名で連載を持っていたとしても、あまり目立たない存在だと思われていた気がしますし、バーチャルでさまざまな活動をしているおかげで、ある程度の認知が生まれ、本名の時よりも存在感が増した感じがしますね。
- 瀧﨑
- デジタルの世界では、新しい人格の方が自分を表現しやすく、現実世界よりも活動しやすい部分があるんですね。本日はクラスター株式会社の方々もお招きしておりますので、クラスターのお二人にもお話を伺えればと思います。西尾さん、椎名さんもでんこさんと一緒にお仕事をされていると聞いているのですが、現実世界の本名ではなく、バーチャルの人格を持つ方とお仕事をすることの価値について、何か感じることはありますか?
- 西尾
- クラスター株式会社CEOの加藤も話しているように、でんこさんには「私たちの世界観や仮想空間で生きるユーザーを深く理解しているからこそお願いしたい」という思いがあります。バーチャルネームだけでなく、アバターを含めたカルチャーを理解している点に大きな意味があり、アバター姿でのインタビューも大きな価値のひとつです。
でんこさんの言葉や記事、質問は、実際にバーチャル世界で生活しているからこそ生まれるものであり、取材の質もとても高いと感じています。そのため、私たちにとっては非常に頼りになる存在です。
- 椎名
- 私も同感ですね。メタバースの世界を深く理解していて、メタバース内でも多くの方々と日常的に接しているからこそ、さまざまな視点で意見をいただけますし、その中で感じたことや発言についても非常に参考にさせてもらっています。
- 瀧﨑
- 実際に本名でバーチャル空間で活動している方よりも、でんこさんというキャラクターの方が、どこか安心感や信頼感を感じやすい部分があるんですかね?
- 西尾
- やはり、バーチャルネームを持ってメタバースの空間で実際に生活しているというのが重要だと感じます。本名に注目するのではなく、バーチャルの名前や姿が、その世界観をしっかりと理解している証明になるのがポイントだと思いますね。
「国も言語も越えて、“別人格”が活躍する時代へ」
- 瀧﨑
- リアルな海外の仕事では、現地に住んでいるか、現地の言葉を話せるかが重要になることも多いですよね。
一方でメタバースでは、国籍や言語に対する感覚が少し違うのではないかと感じながらお話を伺っていました。グローバルでの活動も多い黄さんは、バーチャル空間でのコミュニケーションについて、リアルとの違いをどのように感じていますか?
- 黄
- 私が日頃からプレイしているゲームもそうなんですけど、リアルなコミュニケーションとは異なり、お互いの国籍や言語をあまり意識せずにバーチャル上でやり取りしていると思いますね。
- 瀧﨑
- なるほど。リアルと違って、バーチャル空間では国籍や言語をあまり意識せずに、自然なやり取りが生まれるんですね。
そこから、共通の体験や視点を持てることがより重要になっている、とも感じました。
- 黄
- まさにそうですね。同じ空間で体験を共有することで、国や言語の壁がかなり薄れる感じがあります。例えば外国人にとっては日本語が難しかったりするんですけど、少し日本語が雑になっても、バーチャルの世界ではそれがあまり気にならないことが多いです。
日本語や英語が完璧でなくても、「みんなが共通の体験をしている」という感覚が大きいので、逆にそこがやりやすく感じられる部分だと思っています。
- 瀧﨑
- ある種、バーチャル特有の共通認識というのは、今の時代ならではのことで面白いなと思いました。でんこさんご自身も含め、バーチャルの人格で仕事をすることについて、どんな可能性や魅力を感じていますか?
- 咲文
- 仕事にはゲーム開発者やマーケティング担当者などの役割があるように、バーチャルの別人格を持つことにも可能性を感じています。私たちは仕事やプライベートで役割に応じた会話をしますが、私自身もリアルとは異なるロールをバーチャルの中で持っています。
現実では目立たないかもしれませんが、バーチャルな人格としての経験や実績をもとに活動していて、ある意味で“別人格”だからこそできる仕事もあるんじゃないかと思っていますね。
- 瀧﨑
- でんこさんはclusterでの活動をはじめ、バーチャルでの生活が長いと思うのですが、時代とともにバーチャルで働くことがどのように変わってきたのか、最近そのニーズが増えてきたと感じることがあればお聞きしたいです。
- 咲文
- リモートワークの普及により、インターネットを使った仕事の進め方が一般的になり、全体的に働き方が変わってきていると感じます。その次はメタバースで仕事をする時代が来ると考えていて、今はその過渡期のフェーズです。距離を置いて仕事をするのが当たり前になった現代では、メタバースや仮想空間での仕事も自然な進化だと思っています。
- 瀧﨑
- 実は私自身がメタバースに興味を持ち、会社にもその研究を伝え始めたのはコロナ禍がきっかけでした。以前は、MMORPGをすることが社内でマイノリティ的に見られていましたが、バーチャルでの会話や交流がコロナ禍で身近になったことで、その価値が理解されるようになったと感じています。
和田さんは、普段からメタバース空間でクリエイターとやり取りしていますが、バーチャル人格で仕事をするメリットや価値について伺いたいです。
- 和田
- バーチャルと現実の違いを感じるなかで、バーチャルの人格を持つ人たちは、自分の好きなことや関心に対して自由にクリエイティブな活動を行い、思いのままに表現していることが多いと感じます。こうした方々に仕事を依頼する際には、相手のモチベーションを引き出し、共感を得られるアプローチが重要です。
そうすることで、相手も一緒にやってみたいという気持ちになり、より高いクオリティの成果が生まれるでしょう。
バーチャルで身につけた能力は現実世界にも反映されていく
- 瀧﨑
- でんこさんがおっしゃっていたように、新しい人格を持つことで、今までの自分にはなかった新しい一面を見せることができるわけですね。現実世界での見た目や性別、年齢などを気にしてできなかったことに挑戦できるのはバーチャル人格ならではの特徴で、私にとっても大きな発見でした。
- 咲文
- 新しい人格で、新しいチャレンジができるのもそうですし、メタバース自体が新しいことに挑戦しやすい場所だと思うんですよ。例えば、私はclusterで雑談バーをやっていますが、現実世界で雑談バーを開くのは資金や集客のハードルが高くてなかなか難しいですよね。でも、メタバースならワールドを借りるだけで簡単に実現できますし、距離やコストの心配なくお客さんが集まれる点も魅力です。
※普段雑談バーを実施している空間
長年憧れていたDJも、機材や人を集める難しさから挑戦できずにいましたが、メタバースではアバターの姿でパーティーを開いている人がいて、その光景を目にしたときに、「この世界ならできるんだ、DJをやっていいんだ」と思えたんです。この経験から、メタバースでは、現実の制約を超えて自己表現や新しい仕事に挑戦しやすく、自分の気持ち次第で可能性が大きく広がる世界だと実感しています。
- 瀧﨑
- ちなみに雑談バーでは具体的にどのようなことをされているのでしょうか。
- 咲文
- 雑談バーを始めたのは、もともと人と話すのが好きだからです。リアルの世界でも初対面の人と会話を楽しむことは好きですが、どうしても機会が限られますし、実際に接客業をするとなると負担も大きいですよね。一方で、メタバースでは肩書きや立場に縛られず、気軽に交流できるのが魅力です。
最初は他の人がやっているのを見て面白そうだと思い、試しに始めたところ、思いのほか楽しくて気づけば2年続いていました。コストもほとんどかからず、失敗してもすぐやめられるのは、メタバースならではのメリットですね。
- 瀧﨑
- 今お話しされたバーチャルでのさまざまな挑戦が、現実の自分に何かしらの影響を与えたり、現実世界にも良い変化をもたらしたような経験はありますか?
- 咲文
- 雑談バーの経験で人と話すスキルが身につき、リアルのインタビューでも活かされているかもしれません。結局のところ、バーチャルの人格も中身は同じ人間なので、バーチャルでのチャレンジを通じて身につけた能力は自然と現実世界にも反映されたりと、相互作用が生まれる点が面白いですよね。
- 瀧﨑
- 人格は分けている中でも、バーチャルで得た経験が良い形で現実にも影響していることを実感されているんですね。逆に、現実とバーチャルの人格を分けるうえで、意識して気をつけていることはありますか。
- 咲文
- やはり現実の自分と完全に一体化させたくないという気持ちはあります。でんこ というキャラクターを大事にしているので、そこは意識的に分けたいですね。もちろん、仕事の関係でリアルで人と会うこともありますが、メタバースの世界では自分のキャラクターをしっかり作っているので、そこを一緒にしすぎたくはないという感覚は大事にしています。
- 瀧﨑
- 私もその気持ちにはすごく共感しています。この仕事を始めてから、メタバース上での名前やアバターを見せてほしいという質問を受けることがありますが、私はなるべく答えないようにすると決めていて。現実とバーチャルの世界を意識的に線引きすることで、自分の可能性を広げ、制限せずに活動できると考えているからなんです。
- 咲文
- そうなんですよね。せっかくこの世界のロールがあって挑戦しているのに、現実のアバターと結びついてしまうと、 変に紐づくことで自由さが失われるというか、ネガティブな影響を受けてしまうことがあると思うんです。
メタバース生活者のやりたいことや性格を理解するのが重要
- 瀧﨑
- ありがとうございます。ちなみに今後の働き方も含めて、バーチャルの世界ででんこさん自身が挑戦しようとしていることや、今後の展望について考えていることはありますか?
- 咲文
- まだ具体的な計画はありませんが、いろいろなことに挑戦していきたいという気持ちは強くあります。今の時代、人生が何年続くかわかりませんが、現実では体力や運動神経の問題でできないことも、バーチャルなら挑戦できる環境があり、挑戦できる人格がある。それを活かさない手はないと思うんですよ。
さらに、バーチャルで得たスキルや知識が現実にも活かされ、結果的に自分の人生そのものが豊かになればいいなと考えています。
- 瀧﨑
- 今後、さまざまな企業がメタバースに参入する中で、バーチャルで働く方々のモチベーションを理解し、引き出したいと考えている企業も少なくないと思います。その際に、企業がバーチャルの世界で働く人々を巻き込み、一緒に何かをつくりあげるためには、どのようなアプローチが必要だとお考えですか?
- 咲文
- まずは、企業の方々にメタバース住人のことをよく理解してほしいと思います。その上で、物理的な制約がないことや、挑戦しやすい点などメタバースのメリットを知ることが大切です。メタバース住人の性格やメタバース世界のメリットを抑えておくことで、自分たちの業務にどのように活かせるかが明確になるでしょう。
例えば、小売業ならバーチャルの店員としての活用、CAD系の企業ならメタバース内でモデリングをしてもらうなど、さまざまな活用法が考えられるはずです。最終的には、メタバース住人がやりたいことをどのように実現できるかを、企業側もしっかりと認識してもらうことが大事だと思いますね。
- 瀧﨑
- クラスターのお二人は運営の立場として、これまでいろんな企業とユーザーが活発にコミュニケーションしている姿を見てきたと思うのですが、ユーザーが能動的に動く瞬間って、どんな時だったと感じますか?
- 椎名
- ユーザーが能動的に動く場面はたくさんありますが、clusterではユーザーの皆さんがとても親切で温かい方が多いと感じています。例えば、メタバース初心者の方がいれば、初心者マークがついていて、その方々をイベントに誘ったり、どうやって遊ぶと楽しいかを教えてくれるなど、ユーザー同士がメタバースの楽しみ方を伝え合っている場面をよく目にしますね。
- 瀧﨑
- どうしてそんなに皆さんが動いてくれるんでしょうか。積極的に初心者に優しく接するというのは、現実世界ではあまり見られないことだと思うんですけど、ユーザーの方々のモチベーションは一体何なんでしょうか?
- 椎名
- もっと多くの人にメタバースの魅力を知ってほしいというモチベーションがあるからこそ、「皆でこの楽しさを共有したい」という気持ちから、初心者にも優しく接しているのではと考えています。
- 西尾
- 椎名さんが話したように、初心者に優しくできるのは、“知ってほしい”というモチベーションや、“仲間を増やしたい”という気持ちが大きいからなんですね。例えば、自分の趣味でやっている射撃の世界でも同じことが起きているんです。
射撃場に行くと、ベテランの方々が銃の使い方から立ち位置、大会の勝ち方まで自然といろいろ教えてくれるんですよ。彼らは競技人口が少ないことを実感しており、このスポーツを広め、長く楽しんでもらいたいという思いで教えてくれているんです。
- 瀧﨑
- メタバースは1つのコミュニティとして成り立っているので、企業がゼロから新しい世界を作るというよりは、すでにある世界の中に溶け込んでいくことが大切なのかなと思いました。そう考えると、企業もそのコミュニティの一員として受け入れられる姿勢が求められるのではないかと感じたのですが、でんこさんはその辺りどのようにお考えでしょうか?
- 咲文
- おっしゃる通り、メタバースはコミュニティなので、「ユーザーと一緒にやっていこう」という姿勢が大事で、企業が一方的に関わろうとすると、うまくいかないことが多いですよね。企業がメタバースに参入する際はどう関わるか、どう溶け込むかを工夫することが肝になると思います。
メタバース空間は「言い訳のない自分」でいられる
- 瀧﨑
- 「働く」というテーマで考えると、本来は企業が対価としてお金を支払う関係が一般的ですが、メタバースではそれだけでは成り立たない部分があると感じます。もちろん、お金のやりとりはあるものの、それ以上に「一緒に作り上げる」という視点が重要になってくるんですよね。
そう考えると、メタバースにおける「働く」という概念は、現実世界とは少し違った形を持っているのかもしれないと考えさせられました。
最後に皆さんから一言ずつメッセージをいただけたらと思います。
- 黄
- メタバース空間で「言い訳のない自分」でいられるという点にすごく共感しました。グローバルの仕事をしていると、海外の拠点やクライアントとのコミュニケーションに苦労することもありましたが、メタバースを活用することで、そうした課題をもっとスムーズに乗り越えられるのではと思いました。メタバースを通じて国境や言語の壁といった限界を超えていける可能性をあらためて見出すことができてよかったです。
- 和田
- メタバースにおける「働く」は、必ずしもお金だけが軸になるわけではなく、ビジョンを共有し、「やりたい」という意志が大きな原動力になると感じています。実際、ボランティアで作られた高品質なワールドやイベントが成功する一方、企業が資金を投じても上手くいかないこともあります。
こうした背景から、メタバースでの働き方は単なる雇用関係ではなく、クリエイターや参加者にお金以上の価値も提供する仕組みが重要で、この新しい働き方についてさらに深く考えたいと思いました。
- 佐野
- 私自身きっかけがなければ、メタバースの存在は知らないまま生きていたかもしれません。色々なきっかけを通じて、少しずつメタバースについて知るようになり、最近では「アバターを自分で作ってみたい」「アクセサリーを売ってみたらどうなるんだろう…」と、やりたいことが増えています。
メタバースのことが知られれば知られるほど、そういう気持ちを持つ人、働いてみたいと思う人は沢山いるだろうなと思いました。
- 前田
- リアルではハードルがあって諦めてしまったことも、メタバースなら可能性が広がることにあらためて共感しました。これまで自分の中でできないと決めつけていたことも、もう一度考えてみたいとも思いましたね。これからも、メタバース生活者ラボの活動を通じて、生活者にとっても企業にとっても互いにメリットがあり、どちらも幸せになれるような取り組みができたらと考えています。
- 西尾
- これまでcluster はエンタメ要素が強かったのですが、最近では小児がんの患者さんが心の拠り所としていたり、車椅子のお子さんがアイドル活動をしていたりと、リアルでは難しいことがメタバースで実現されています。こうした医療や教育分野での取り組みをさらに広げたいと考えています。
また、メタバースならではの新しい職業の創出にも注目しています。バーチャルイベントにおける照明やカメラマンなど、オフラインのイベントと同様にプロのスキルを活かせる場を増やし、クリエイターと企業をつなぐ仕組みを強化したいです。
個人的には、メタバース上で人生相談の場を提供していきたいですね。私はプライベートで恋愛や人生相談をよく受けていて、多くの人が悩みを抱えているなら、仕事に繋げられたらと思っています。
- 咲文
- バーチャル空間はとても面白い場所なので、メタバース生活者の皆さんには、ぜひたくさんのチャレンジをしてほしいと思います。そうすることで企業も参入しやすくなり、メタバース業界の活性化につながるでしょう。企業がメタバースをもっと活かせるようになれば雇用も生まれますし、みんなで協力し合うことで新たな価値や経済的な循環も生まれると思っています。
- 瀧﨑
- 本日は貴重な機会を本当にありがとうございました。引き続きメタバース生活者ラボでは、様々なテーマからメタバース生活者の探求をしていきます。
この記事はいかがでしたか?
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咲文 でんこフリーランスジャーナリスト・ライター
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椎名 香澄クラスター株式会社 広報アシスタント
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西尾 美里クラスター株式会社 広報
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メタバース生活者ラボ リーダー
博報堂 研究デザインセンター 生活者発想技術研究所 上席研究員
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博報堂DYホールディングス 統合マーケティングプラットフォーム推進局
企画グループ研究員 テクノロジスト
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博報堂 グローバルストラテジックプラニング局
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博報堂 生活者発想技術研究所
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博報堂 生活者発想技術研究所